「KAPLA®ブロック」は、今でこそ科学と芸術教育に力を注ぐフランス文部省の推薦教材として広く世界中の子どもたちに遊ばれていますが、その生い立ちは子どもや玩具とは全く無縁のものでした。
考案者トム・ブリューゲンが幼少からの「お城に住む」という夢をかなえるために、建築模型材料として15年の歳月をかけて試行錯誤し、たどりついた「究極のワンサイズ」、それがKAPLAブロックです。
完成した「木片」で子どもたちが遊ぶ姿を見て、トムは母国オランダ語で「KAPLA」(小人の板という意味)という名前を付け、玩具として発表しました。造形素材としての表現力のすばらしさを伝える「アートブック」や造形ワークショップを通して、10か月の子どもから建築家まで幅広い年齢で遊ばれるようになりました。
KAPLAブロックは、2012年に発売から25周年を迎えることができました。みなさまのご愛顧に深く感謝申し上げます。と同時に、これからもKAPLAブロックを末永くお楽しみくださいますよう祈念いたします。
1970年
考案者トム・ブリューゲンは、自身の城を設計デザインから石積み、内装まですべて1人で手がけました。お城の模型にはじめは積み木やブロックを使っていましたが、思い通りの模型ができません。そこで、トムは板をさまざまな形に切って模型を作りました。
1985年頃
模型の板は三角形、長い板、短い板、といろいろな形がありましたが、お城づくり18年の間に、次第にひとつの形になりました。トムは1:3:15という比率の薄くて細長い板が一種類あれば、床も柱も屋根も思いのままに作れることを発見したのです。15年に及ぶ試作研究の末、「KAPLA」の原型となる板、誕生です。
1987年
15年の研究を経て完成した「三次元の黄金比」とも称されるワンサイズの木片は、トムの母国オランダ語で「Kabouter Plankjes=小人の板」という意味から、「KAPLA」と名付け、フランスで発表。
1987年〜
(1987~2013年受賞のうち一部を紹介)
1988年
KAPLAブロックは、発売と同時に「何でも作れる!」と話題になり、欧米各国の子ども達へまたたく間に広がりました。高く積み上げたり、頭を寄せ合って一緒に作ったり、今も昔も、子ども達のKAPLAブロックで遊ぶ姿は真剣です。
1990年
画家であり造形作家であるハナ・ブリューゲンが創作した数多くの作品から厳選された約75作品が、美しい写真とイラストで紹介した「KAPLAアートブック・L’art KAPLA」となって、出版されました。木目にまでこだわった作品集です。全4冊刊行。
1990年
KAPLAブロックの奥深い表現を開拓したKAPLAアーティスト。たった200ピースで緻密な建物・生き物の柔らかさ・人の表情まであらゆる形を豊かな表現で作り上げます。ひとつひとつの作品の完成度の高さは、実際にまねて作ってみることで更に実感できます。
1990年
「アニマシオン(Animation)=命を吹き込む」という意味の通り、Centré KAPLAのワークショップでは、KAPLAの板に命が吹き込まれ、キリンや象、巨大なタワー、お城が次々に作りだされます。専属のインストラクターが指導するKAPLA社公認のアトリエ「Centré KAPLA」は世界に3ヶ所(2014年現在)。
Centré KAPLA Paris(フランス)/ Lyon(フランス)/ Tokyo(東京)
1990年
KAPLAブロックの造形ワークショップ「KAPLAアニマシオン」のスタイルを築き上げた偉大なクリエイター。Centré KAPLA Paris代表。少ない枚数で表現するハナとは対照的に、何万ピースというKAPLAを使うダイナミックな作品群を得意とし、25年以上に渡りフランスの教育施設で作品指導・表現指導をしています。
1995年
カプラジャパン(有限会社アイ・ピー・エス)冨安智子が、KAPLAブロックの日本初総代理店となる。「日本中にKAPLAブロックの楽しさを伝えたい」と普及活動を始めました。
1996年
ルーブルのフランス国立Musee des Arts DecoratifにKAPLAの作品「パリの街並」を制作展示。全長5メートルに及ぶ作品は、小さな窓枠まですべてKAPLAで作られ、その表現力の豊かさにチーフ・キュレーターは「KAPLAは21世紀を代表する玩具になる」と高く評価しました。以後作られた多くの作品の「窓」や「屋根」の表現は、トムのこの作品から来ています。
2000年
初来日記念ワークショップを開催(会場:ベルナール・ビュフェ美術館)。多くの子どもたちが、言葉の壁を超え、トムと一緒に楽しく過ごしました。美しく崩れる作品「トムのナイアガラ」は、この時に初めて日本へ伝えられました。
2000年
アメリカで樹立した高さ積みの世界記録。積み上げられた高さは17.6m。頂上はキリンの背(5.5m)の遥か上、マンションの6階に相当する高さです。
日本記録は2012年に青森県八戸市で記録した12.6m(2014年現在)
2012
世界トップレベルの品質をさらに安定化。2012年開業のモロッコの新工場ではフランス本国で加工したKAPLAの最終工程を受け持ちます。人手のかかるカラーリング、選別作業の後、目視検査による厳しいチェックをクリアしたものが「KAPLAブロック」として、各国へ届けられています。
<モロッコとは>アフリカ大陸の最北端、ヨーロッパの目と鼻の先にあり、フランス語が公用語のひとつ。アフリカでも教育水準が高く、優秀な人材が豊富です。